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悲しみの向こうに光を見つける:愛する人を失った時の心の乗り越え方

私たちは皆、生涯を通じてさまざまな喪失を経験します。中でも愛する人を失うという喪失は、我々の心に深い悲しみをもたらすことが多いです。しかし、その悲しみを乗り越え、自己の内側から新たな力を引き出す方法が存在します。

1. 受け入れ:現実と向き合う

まず初めに、我々が直面する困難な事実に真摯に向き合うことが必要です。それは大切な人を失った事実そのものです。この受け入れは簡単ではありません。一方で、心理学者エリザベス・キューブラー=ロスが提唱した「5つの喪失の段階」では、受け入れはその最終段階とされています[1]

「でも、どうすれば現実を受け入れることができるの?」と思うかもしれませんね。でも大丈夫。次に紹介する方法が助けとなります。

2. 心の声に耳を傾ける:自己理解を深める

自分自身の感情に耳を傾け、自己理解を深めることは悲しみを乗り越える一歩となります。ある心理療法、心動体法では、体の動きや呼吸を通して自己理解を深める手法が採用されています[2]。なぜ体なのでしょうか?それは心と体が密接につながっているからです。ストレスや悲しみはしばしば体にも影響を与えます。

しかし、多くの人が体に蓄積されたストレスを見過ごしてしまいます。だからこそ、この瞬間に立ち止まり、静かな時間を作り、自分自身の内側に向けることが重要です。ゆっくり深呼吸をしてみてください。体のどこに緊張を感じますか?その緊張が悲しみからくるものなのか、自問自答してみてください。

3. 思い出の共有:社会的支援の活用

愛する人を失った悲しみは、一人で背負うには重すぎることがあります。ここで登場するのが「社会的支援」の力です。心理学的に見ても、社会的支援は様々な困難を乗り越えるための強力なツールとされています[3]

具体的には、信頼できる友人や家族に自分の思いを語ることが一つの方法です。あるいは、同じ経験を持つ人々と共有するグループに参加するのも良いでしょう。悲しみを共有することで、その重さが分散され、乗り越える力が増すことがあります。

4. セルフメディケーション:自分自身の心をケアする

また、自己メディケーションという方法も存在します。これは自分自身の感情や体調をケアすることを意味します。例えば、リラクゼーションやマインドフルネス、音楽療法などがあげられます[4]

特に音楽療法は注目されています。研究によれば、音楽は心理的ストレスの軽減に寄与し、心地よいリラクゼーション状態を引き起こす可能性があります[5]

面白いことに、音楽の感じ方は人それぞれで、お気に入りの曲が泣きたい時の安らぎをもたらすこともあります。しかし、この時点で”デスメタル”をお勧めするかどうかは疑問ですね(笑)。

以上、愛する人を失った時の心の乗り越え方についてご紹介しました。一人で抱え込まず、自分の心と向き合い、社会的支援を活用し、心をケアすることで、その悲しみを乗り越える力が育つことを願っています。

だからこそ、あなたが直面する悲しみが少しでも軽減されることを願いつつ、以下のアクションを試してみてはいかがでしょうか?

  • 自分の感情に正直に向き合い、それを受け入れる
  • 信頼できる人に話を聞いてもらう
  • 自分自身の心をケアするための手法を試す

人生の困難な局面を通じて、人は自己を見つめ直し、新たな自己を発見することがあります。そして、それは最終的には自己成長へとつながります。


[1] Kübler-Ross, E. (1969). On Death and Dying. Routledge. ↩︎

[2] Payne, P., Levine, P. A., & Crane-Godreau, M. A. (2015). Somatic experiencing: using interoception and proprioception as core elements of trauma therapy. Frontiers in psychology, 6, 93. ↩︎

[3] Uchino, B. N. (2009). Understanding the links between social support and physical health: A life-span perspective with emphasis on the separability of perceived and received support. Perspectives on psychological science, 4(3), 236-255. ↩︎

[4] Stuckey, H. L., & Nobel, J. (2010). The connection between art, healing, and public health: a review of current literature. American journal of public health, 100(2), 254-263. ↩︎

[5] Thoma, M. V., La Marca, R., Brönnimann, R., Finkel, L., Ehlert, U., & Nater, U. M. (2013). The effect of music on the human stress response. PLoS One, 8(8), e70156. ↩︎


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